何も語らぬ石ころのように
老人になったら車に最低限の楽器だけを積んで、せいぜい30人くらいのお客さんの前で街から街へ、全国を歌い歩くという暮らしを夢見たこともあった。
だが、現実に老人になった私はちゃんとしたベッドでないと眠れなくなったので難しそうだ。それでも、少人数の前でつぶやくように歌うというイメージはある。
時折、歌を作ってみようとするのだが、説教がましくなってしまう。「俺はこの境地に達したぜ」みたいに。何を言っても妙に格好悪いなあと思ってしまう。
格好悪いと思うこと自体、まだ若いのだろう。自意識から解脱できていない。何も語らぬ石ころのように、いつかなれるだろうか。