無差別に無慈悲に平等に

だから、定年退職など縁もなく、気分はずっと社会の内だった。

加えて周りからの「ステージずっとつづけてください!」という励ましの社交辞令を真に受けてその気になっていたのだから世間から浮いていたはずだ。

『大丈夫さ 私の履歴書』(著:財津和夫/日経BP 日本経済新聞出版)

自動車運転というものは職業も人格も問わない。ただ安全運転できるかどうかの一点が問われる。だから検査は無差別に無慈悲に平等に行われるのだ。

私は答案用紙に懸命に正解と考えられるものを書き込みながら、『私は浮いてないぞ』と思った。今、私は試験のために集められた後期高齢者の群れに馴染み埋もれている。