――大村茜は、この字を見てなんと思うだろう。
それに、「所要」の内容を正直に話せば、きっと笑われるに違いない。
――いや、「アオくんらしいね」と笑って許してくれるだろうか。
馬鹿馬鹿しい、と青峰は否定する。彼女も人妻になるのだ。愚かしい未練は捨てなくてはならない。
ウェディングドレスを纏った彼女はきっと美しいだろう。それを見られないのは、なんだか少し残念な気もする。だが、「あの予定」には敵わない。
卓上カレンダーにチラッと目をやる。
六月二十四日。木曜日にはこう書かれている。
「メグ伝新作!」
木曜の午後と金曜は有給を申請してある。上司は「旅行か?」と聞いてきたが、目敏い同僚は「ゲームか?」とⅬINEしてきた。
そして、二十六日の土曜日にはこう記してある。
「18時~ メグ伝オフ@秋葉原」
結婚式とバッティングしたのは、この予定である。
