数年前、オンラインゲームの「ドラゴンクエストⅩ」を通じて知り合ったグループである。ゲーム内でパーティーを組んで意気投合し、新型コロナが少し落ち着いたタイミングで初めて会った。男三人、女一人のグループだが、うまが合い、その後もたびたびオフ会を開いている。

 正直、ゲーム発売から二日でオフ会というのは、ちょっと早い。もっと一人でじっくりと遊んでから、体験を共有したい。

 ただ、オフで会える日程がこの日しかなかった。二カ月前からアンケート機能で日程取りをしていたのだが、各々色んな予定が入っていた。全部「〇」で出した自分の無趣味ぶりが恥ずかしくなったぐらいだ。家庭もないし、彼女もいない。

 それで二十六日に決まったのだが、紅一点のミクニが「メグ伝の発売直後だよね! みんな絶対やってくるよね!」と発言し、メグ伝のオフ会という扱いになった。

 メグ伝の新作は、プレイヤーが広大な世界を好きなように探索できる「オープンワールド」のゲームであることが宣伝されていた。このジャンルはやりこみ要素が多いため、総プレイ時間が百時間を超えるのも珍しくない。五百、千時間遊ぶプレイヤーもいるだろう。

 日付が変わった瞬間から不眠不休でプレイしても、オフ会までに使える時間は四十八時間+十八時間で六十六時間だ。まあ、会場までの移動時間を考えれば六十五時間ってところだろうし、実際は眠るだろうからそれよりもっと少ない。寄り道を一切排除し、ストーリークリアだけ真っ直ぐ目指せば間に合うかもしれないが……。

 ――もう、自分もいい年だ。

 青峰は自嘲気味に笑う。長い時間ぶっ続けでゲームをするのは厳しい。

 ミクニのLINEを思い出す。

 ――でもさ! 新作発売で絶対四人とも高まってるじゃん! メグ伝の新作なんて、九年も待ったわけじゃん? 最速感想会したーい!

 陽気なスタンプと共に投稿されたこの率直で熱いメッセージに、青峰を含めた三人が折れた。それぞれが時間を捻出して、二十六日までにある程度メグ伝を進めてくることになったのだ。

 ミクニの強引さに、青峰はどこか、大村茜を重ね合わせているのかもしれない。

 ――やっぱり俺、どうしようもないな。

 茜に未練タラタラなのだ。大学の時は、声だってろくにかけられなかったくせに。