(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が2026年に公表した「人口動態統計の速報値(外国人を含む)」によると、2026年1~3月の出生数は前年同期比0.2%増の16万3299人だったそうです。そんな中、東京大学大学院経済学研究科教授であり、ベストセラー『「家族の幸せ」の経済学』の著者でもある山口慎太郎さんは「昔から『早生まれ(1月~3月生まれ)』は学校生活で損をするといわれてきた」と語ります。そこで今回は山口さんの著書『「早生まれ」は損なのか―生まれ月格差の経済学』より一部を抜粋してお届けします。

賢い親は出産月を選んでいるのか

生まれ月による学力や非認知能力の差は本当に「生まれ月そのもの」によるものなのでしょうか。

SNSなどを見ていると、「教育熱心な親は4月生まれを狙ったほうがいい」「知り合いのお医者さんの子どもはみんな4月生まれだ」といった書き込みを目にすることがあります。生まれ月による学力や体力の違いが広く知られるようになるにつれて、「親が意図的に出産月を選んでいるのではないか」という声も出てきました。

もし本当にそうであれば、生まれ月の効果は、単に月の違いそのものではなく、家庭環境の差を映し出しているだけかもしれません。たとえば、教育に熱心な家庭ほど「子どもを4月に生もう」と考え、それが実現しているとしたらどうでしょう。その場合、4月生まれの子どもが学力や体力で優れているように見えるのは、親の教育意識や経済力の差が背景にあるだけかもしれないのです。

本当に親が出産月をコントロールしているのか、またそれがどの程度、生まれ月と子どもの成長との関係に影響しているのかを確かめていきます。