緊張する自分を感じて
そして不思議だけど、その大変な舞台を55年もやってきて、修羅場は潜りすぎるくらい潜ってきたにもかかわらず、ドラマの撮影本番になるとドキドキドキドキしちゃう自分がいるんだよ。
台詞は完璧に頭に入っているはずなのに、「ちゃんと台詞が出てくるかな。ここでトチっちゃったらどうしよう」と、マイナス思考になってしまうの。
なぜそんなふうになるのかと思うと、「よーいスタート」のあの「よーい」が緊張させるのかもしれないし、1ヵ月稽古して積み上げていく舞台と違って、本番までに2回くらいしかテストができないことが大きいのかもしれないし。
でもやっぱり、「恥をかきたくない」という気持ちがどこかにあるからだと思うんだよ。55年もやってきた人間が、その程度の芝居かと思われたくない。とくにゲスト的に出演するドラマの場合は、やっぱり周りの目が気になるんだよね。だから緊張してしまう。