(撮影:小林ばく)
舞台、映画、ドラマにと幅広く活躍中のミュージカル俳優・市村正親さん。私生活では2人の息子の父親でもある市村さんが、日々感じていることや思い出を綴る、『婦人公論』の連載「市村正親のライフ・イズ・ビューティフル!」。第21回は「本当に役を生きるとは」です。(構成:大内弓子 撮影:小林ばく)

自然とその声になる

最近はドラマの撮影を中心に動いています。舞台と映像の芝居にはやはり違いがあって、もっとも差を感じるのが《発声》。

舞台だと1000人以上のお客さんに言葉を伝えなくちゃいけないから、マイクを通すとはいえ、そこにきちんと乗るような声ではっきりしゃべることが求められる。

でも映像だと、ぶつぶつしゃべっても全部マイクが拾ってくれるんだよね。(ボソボソ声で)こんな小さな声で芝居できるだなんて、俺としてはこんな楽な声でいいのかなって思う。芝居はむずかしいけど。(笑)

その意味では、ドラマや映画で活躍している俳優さんが舞台に来ると、やっぱり非常にリアルなお芝居をするんだね。田中裕子さんと『マクベス』を演ったときにそう感じた。

最近では、『モーツァルト!』の生田絵梨花ちゃんも、アイドル出身ながらリアルなコンスタンツェを作っていたよね。