素敵なうつわで生活空間全体が整っていく?

映画やテレビドラマにもすぐ影響されるので、「かもめ食堂」や「天狗の台所」などを見て感化され、丁寧に暮らしたい欲は何度も再燃する。

長谷川あかりさんの料理本や、菅野由希子さんの美しいうつわの本などを眺めては、「私もこんな風に器や料理にこだわりたい」と熱をおび、作家もののうつわをちょこちょこ買っては集めている。こだわりの調味料もひととおり棚には揃っている。

素敵なうつわは、中身の料理やそれを置く空間のハードルも自然と引き上げる気がする。プラスチックの容器や派手なパッケージといった生活感は似合わないし、木のテーブルやリネンのクロス、自然光の入る窓辺といった空間づくりへと波及し、結果的に生活空間全体が整っていきそうだ。

圧倒的に「丁寧な暮らし」な感じがする!

しかし、素敵なうつわは食洗機や電子レンジが使えないことが多く、手洗いで優しく扱い、しっかりと乾燥させるなど、物理的な手間が必要だ。

いざ日々の食事となると「割れたらショックだし、お手入れも時間がかかる。結局ニトリが気楽で使いやすい。こいつが割れたら本番に良いうつわを使うんだ!」といつものお皿を並べてしまう。調味料は1、2度使ったまま、気づけば賞味期限が切れている。

こんな中途半端な妥協ばかりしているから、私はいつまで経っても丁寧に暮らせないのだ。

(写真:AdobePhotoStock)