人生は本当に「積み上がっていくもの」なのか
よくあるたとえですが、砂漠の中で水筒を持っているとします。
水が半分入っているとき、「半分しかない」と感じる人もいれば、「まだ半分ある」と感じる人もいます。現実は同じでも、どこを基準に見るかで、意味づけはまったく変わります。
「報われていない」「積み上がっていない」という感覚も、これと同じです。
今ある生活は「当たり前」として処理され、意識の中では評価されません。
その一方で、自分より少し上の段階の収入や役割、ライフイベントが、いつのまにか「普通」になってしまう。その結果、「普通に届いていない自分=足りない自分」という見方が生まれます。
ここで一度、立ち止まって考えてみてほしいのです。
そもそも、人生は本当に「積み上がっていくもの」なのでしょうか。
私は、人生とは「生まれてから死ぬまでの時間」に過ぎないと思っています。
だから何かを完成させていくプロジェクトというより、時間の中で日常を繰り返していく過程そのものに価値があると思うのです。積み上げやステージアップという感覚は、あとから作られた物語に過ぎません。
