体内時計が刻む「夜行性の時間割」
重要なのは、ハムスターが好きで走っているというより、走るべき時間になると体が動いてしまうという点です。輪回しの運動量には、はっきりとした概日リズムがあり、夜になるとスイッチが入ったように走り始め、朝になるとぴたりと止まります。
これは意志ではなく、体内時計が刻む「夜行性の時間割」に従っている結果なのです。
ハムスターがカラカラ走り続ける姿は、どこか可愛らしく見えます。しかしその背後では、進化の過程で磨かれてきた体内時計が、今も正確に「動く時間」を指示し続けています。
小さな輪回しは、実は生きものの時間生物学をのぞき見る、立派な観測装置なのかもしれません。
※本稿は、『知って得する、体内時計のはなし』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『知って得する、体内時計のはなし』(著:中村孝博/中央公論新社)
生物はすべて“リズム”に支配されている――。
ありとあらゆる不調の鍵を握る「内なる時計」を徹底解説。




