都市の生活は脳疲労が蓄積しやすい!?
脳の疲労は、前頭前野と扁桃体を結ぶネットワークの活動と関連しています。ドイツのハイデルベルク大学の研究チームは、このネットワークが、都市部に住む人ほど、社会的ストレスを受けたときにより強く反応することを明らかにしています。
絶え間ない情報や人間関係の刺激にさらされる都市生活は、仕事や学びの場が集中し便利な一方で、脳には大きな負担を与えています。都市部で暮らす人々は、社会的評価や人間関係の摩擦に対して過敏になりやすく、脳疲労を蓄積しやすいと考えられているのです。
こうした都市のストレスを和らげる方法の一つとして、自然体験が注目されています。昔から、「疲れたら自然の中へ行くと良い」と言われますが、森や海に出かけると気持ちが軽くなったり、頭がすっきりしたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
実は、こうした感覚は単なる気分の問題ではありません。自然環境が脳のストレスを和らげ、脳疲労の回復や疲労耐性の向上に役立つことは、脳科学的にも明らかになっているのです。
理想をいえば、定期的に森や海、山などの自然豊かな場所で過ごすことですが、それが難しくても効果は期待できます。たとえば、仕事の休憩中に近くの公園でコーヒーを飲む、通勤の途中で街路樹がある道を歩く、ランチの時間に芝生の上で深呼吸をする、そんな小さな自然体験でも、脳のストレス反応を和らげる効果があるとされています。
週末は自然の中で過ごし、平日は身近な緑を意識的に取り入れる。そんなライフスタイルを積み重ねることも、脳疲労対策として有効です。
自然体験を通した脳の疲労の回復、そして脳の疲労耐性を高める取り組みとして、ガーデニングも有力です。アメリカのコロラド大学の研究では、ガーデニングを始めた人は、身体活動量や食物繊維の摂取量が増え、ストレスや不安のレベルも大きく低下していました。外出する時間がない、運動が苦手という人は、庭やベランダで、ガーデニングを楽しむのもよいかもしれません。
