そもそも、現代日本に徳川十二家が存在する事実も、ご存じなかった人が多いのではないでしょうか。

教科書で習うのは「徳川慶喜が大政奉還して江戸幕府が終焉した」というところまでですが、明治維新のあとにも慶喜公の人生は続き、家族をもうけ、暮らしていたからこそ私が生まれました。 私が何も言わず、黙って家を閉じてしまったら、徳川慶喜家はなかったことにもなりかねない……。

そうなれば、慶喜公がどのような考えを持った、どのような人だったかということも知られないままになってしまいます。

徳川慶喜家の最後の当主として、語る責任があると感じています。

 

葵の紋を継ぎまして。』(山岸美喜:著/KADOKAWA)