家に残されている膨大な史料をしかるべき施設に寄贈して、研究のために役立ててもらえるようにすることは、今回の家じまいの中でも大きな柱となっています。この作業は《現代の大政奉還》のようなものだとも感じています。

史料などを家や個人で所有していれば、どうしても都合のいいものだけを選んで開示していくことにもなりかねないですが、自分のための家じまいではありませんので。

偏ったかたちにならないようにするためにも、取捨選択などはしないで、全ての史料をお渡しするのが大切だと思っています。

家の歴史を日本の歴史として共有すること。

それが家の供養につながることだと思っています。

第五代目徳川慶喜家当主としての大仕事です。

 

※本稿は『葵の紋を継ぎまして。』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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葵の紋を継ぎまして。(山岸美喜:著/KADOKAWA)

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