家に残されている膨大な史料をしかるべき施設に寄贈して、研究のために役立ててもらえるようにすることは、今回の家じまいの中でも大きな柱となっています。この作業は《現代の大政奉還》のようなものだとも感じています。
史料などを家や個人で所有していれば、どうしても都合のいいものだけを選んで開示していくことにもなりかねないですが、自分のための家じまいではありませんので。
偏ったかたちにならないようにするためにも、取捨選択などはしないで、全ての史料をお渡しするのが大切だと思っています。
家の歴史を日本の歴史として共有すること。
それが家の供養につながることだと思っています。
第五代目徳川慶喜家当主としての大仕事です。
※本稿は『葵の紋を継ぎまして。』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『葵の紋を継ぎまして。』(山岸美喜:著/KADOKAWA)
徳川慶喜家初の女性当主、家じまいに奮闘!
叔父の第四代当主、徳川慶朝に託されたのは、歴史ある徳川慶喜家の「家じまい」を果たすという、重い重い役割。嫁入りして離れたはずの家の当主になり、日々奮闘することに。前代未聞の「女性当主」ゆえに、なかなか受け容れてもらえない苦しさも。それでも、歴史に向き合う中で見えてきた「徳川慶喜家」のすがたとは――。





