(写真:stock.adobe.com)

「現代の大政奉還」

どのような事件に関してもそうですが、歴史は多面的だと感じています。ひとつの出来事に対する見方はさまざまです。

幕末に起きた争いについても、長州や薩摩の側から見るのも大切だと思い、山口県立山口博物館に電話をしてみたことがありました。学芸員の方を呼んでいただき、「徳川慶喜の孫の孫なんですが、長州藩の歴史を教えていただくことはできませんか」と尋ねてみました。

まだ私のXがバズったりする前だったにもかかわらず、信じていただき、「萩市に素晴らしい学芸員がいるので、是非訪ねてみてください」とつないでくださいました。

紹介された学芸員の方を訪ねて萩へ行くと、幕末について非常に詳しく教えてくださいました。「長州ファイブ」という、鎖国中に密航で英国に飛び出した5人の人物について教わったりなど、いろいろな発見があり、お会いできて本当によかったと思っています。

その時、「幕府の側からすれば、それは怒りますよね」というように、ニュートラルなスタンスで話してくださったのも嬉しいことでした。

勝者の歴史があれば、敗者の歴史もある。

それぞれの主張が違っているのは当然なので、双方の意見を知ることにより冷静な考察もできていきます。

石川県立歴史博物館の学芸員の方ともお話ししたことがありますが、その方は「私たちは他人様の家のお庭で仕事をさせていただいていますから」とおっしゃっていました。とても素敵な表現だな、と思い、印象に残っています。