全国2番目の早さでロボット手術500例を達成
2013年、鳥大病院にはロボット手術の専用手術室も作られた。ますますロボット手術に拍車がかかる。最初のダビンチの機種・ダビンチSは鳥大病院で大活躍したが、2013年3月には新機種であるダビンチSiにバージョンアップした。バージョンアップは鳥大病院によれば、日本初の試みだった。
これによって旧機種のダビンチSよりも格段と手術の手元を映しだすモニターの視野が広がった。画質解像度も向上したのでより手術の精度とやりやすさが向上したのである。
人間工学に配慮した設計、しかもデュアルコンソール、つまり二台のモニターが導入され、二人の医師が同時に手術を行えるようになったのだ。
その後も、ダビンチとともにロボット手術の日本の最先端を鳥大病院は歩み続ける。
2011年1月には拡大胸腺腫摘出手術(心臓と胸骨の間にある胸腺に腫瘍が出来る病気。筋肉疲労・脱力などの重症筋無力症を引き起こす)に日本ではじめて成功。前立腺ガンや子宮ガン摘出手術を行ってきたが、これに胸部外科が加わる。そして前出の最新鋭ダビンチSiの投入。中国地方の病院ではもちろん初。購入費は2013年5月24日付の『朝日新聞』によると3億6000万円だったという。
武中篤低侵襲外科センター長(原田さんから、武中さんに同センター長が移る)は、この時の『朝日新聞』の記事に「手術の質の向上はもちろんだが、この地方にあっても先進設備があることに意義がある。若手医師の育成に力をいれたい」と後進の育成や地域医療への考えを示していて興味深い。
その後2016年には国立大学病院としては全国2番目の早さでロボット手術500例を達成。2017年末には国立大学病院の中で3番目の750件に達し、順調に手術数を伸ばしていく。2019年にはダビンチの最新型ダビンチXとダビンチXiを導入。より手術操作がしやすくなり自動縫合が出来るステープラーやベッセルシーラーと呼ばれる血管やリンパ管の止血と切離が容易に行えるようになった。
2019年に心臓病の手術に中国地方で初成功。2020年に食道ガン、2023年に肝切除手術を成功させた。