過去の栄光にすがりたい男
若い頃は喧嘩が強かったとか、もっと腹がへこんでいて腹筋もバキバキに割れていたとか、女の子にモテまくりだったとか……、そんな感じで「過去の栄光」にすがっている御仁を見かけると、ぼくはちょっとほっこりしてしまいます。そういうのって、なんだか人間くさくて、嫌いになれないんですよね。
そうそう。「過去の栄光」といえば、先日、なかなかレアな体験をさせて頂きました。
ぼくが数日ぶりに筋トレに行った日のことです。いつものようにジムのロッカーに入っていくと、少し遅れて団塊の世代とおぼしきおじさまが、ぼくのとなりにやってきました。
その人とは、とくに知り合いでもなかったので、ぼくらはそれぞれ無言のまま、淡々とトレーニングウェアに着替えていきました。
ところが、その人が上着を脱ぎ、ズボンを脱いだあとに事件は起きたのです。
着替えをしているぼくの視野の隅っこで、おじさまがなにやら妙な動きをしはじめたので、ふと気になって、そちらを見てみると、左足のかかとのあたりを両手でつかんだおじさまが、ぴょんぴょんと右足で飛び跳ねているではありませんか。
こ、この人……、いったい、何してるんだ?
あまりの怪しい動きに、ぼくは、ちょっとビビリながらも、つい凝視してしまいました。
すると、次の刹那――、