「週刊誌時代から石田さんを取材させてもらっていますが、スキャンダルであっても、どんな厳しい質問でも、きちんと向き合って納得いくまで答えてくれる“神対応”です。記者の間では明石家さんまさんと両巨頭ですね。」(中村さん)

批判されても逃げない理由は

中村 退院してからも週刊誌に続けざまに「マスクなし」「ワインで酩酊」と、まるで“自粛警察”の取り締まりにあうような報じられ方でした。

石田 自宅近所を散歩していてたまたまマスクを外したときにパパラッチされたり、オーナーと何十年も家族ぐるみの付き合いをしているイタリアンレストランで会食をしている様子を、写真付きで報じられたり。

中村 実際にはどうだったんですか。

石田 たしかにそこで飲食をしたんですけど、相手はビジネスで大変お世話になっているスポンサーの方。コロナで僕がご迷惑をかけたという謝罪と挨拶の場だったんです。そのお店にはほかにも僕の知り合いがいて、長居をしてしまったというのはありますけど、皆さんのご迷惑にならないようじゅうぶん気をつけていました。

そうは言っても、報道の受け取りようによっては不謹慎だと思われる。「あなたは誤解されやすいから気をつけて」と妻には厳しく叱られますけど、結果、叩かれてしまう。どう思いますか?

中村 週刊誌時代から石田さんを取材させてもらっていますが、スキャンダルであっても、どんな厳しい質問でも、きちんと向き合って納得いくまで答えてくれる“神対応”です。記者の間では明石家さんまさんと両巨頭ですね。なぜ、取材陣から逃げないんですか?

石田 記者の皆さんもお仕事ですからね、ということですよ。しゃべったら不利と、うちの理子だけじゃなく周囲からもさんざん言われています。でも実際に記者さんとお会いすると、もし無視して手土産なしで帰したら、編集部で上司に怒られるかもしれない。本当にそれは申し訳ないと、まあ答えるぐらいでよければ、というのはあります。

中村 泣きそうになってきました。石田さんのやさしさにメディアが甘えているのかもしれませんね。しかし今回のコロナとバッシングで、ビジネスへの影響はどれくらいありましたか。

石田 沖縄のお店の件もありますし、CMが飛びましたし、ゴルフのレギュラー番組は降板しました。イベントは9月まですべてキャンセル。進行中の仕事も延期や中止になって、もちろん皆さん同じ境遇だと思いますが、大変です。金額にするといくらになるか見当もつかないですね。

中村 葉山の別荘を売りに出したという報道が女性誌にありましたが。

石田 それ本当なんですけど、逆にすごく早いなと。だって決済する1日か2日前に出たんですよ。ただ、コロナで仕事が激減して売った、ということではないんです。いい物件で気に入っていたんですけど、娘2人は海が好きじゃないって言うし、そもそもそんなに使っていなかった。ウィズコロナで今後現金が必要だなと考えていたところに、好条件で買ってくれる方が現れた。金額はちょっと言えませんが(笑)。妻は経済的にもしっかりしていて、普段から無駄遣いをしない人なんですけど、売却にはすぐOKしてくれました。

中村 奥さまの承諾があってのことだったんですね。さっきの話じゃないですけれど、1996年の「不倫は文化」発言から石田さんはずっと叩かれてきました。そのせいで『スーパーJチャンネル』のキャスターを降板する羽目になり、一世を風靡したトレンディ俳優が地に落ちたという印象でした。

石田 あのときは全部なくしちゃいました。それまでキャーキャー言ってくれていた女性が、僕を見るのもイヤという態度になって、その視線がつらかったですね。特に子ども連れのお母さんは嫌悪感をあらわにして無視。世の中全部を敵に回したような感じでした。

仕事関係者もまわりからさーっといなくなってしまって、孤独で絶望していました。仕事もお金もないから好きなゴルフにも行けないし、2年間は洋服も買えなくて。自業自得という批判もあるけれども、いま考えてもどん底でしたね。