淘汰されなかった理由は

ところが漢語の場合、漢音が日本に伝えられても、それで旧来の呉音が淘汰されることにはつながらなかった。唐音も同様で、それで旧来の漢音・呉音が淘汰されることはなかった。結果として複数の音読みが併存しながら、今に至るのである。なぜなのか?

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漢和辞典を見ると、多くの字で漢音と呉音が明記されている(字によっては唐音も)。普通の漢和辞典はだいたい一万ぐらいの漢字を掲載するが、その多くの字で漢音と呉音の両方が存在するのも、何か不思議な感じがする。

どこかで誰かが、意図的に漢音・呉音を整備したのであろうか。だとしたら、誰が、何のためにそんなことを行ったのか。また、漢和辞典では漢音・呉音・唐音のほかに、「慣用音」という分類も見られる。これはいったい何なのか。ただでさえ複雑な漢字の音読みなのに、この慣用音がさらに話を複雑にしている。

このように、漢字の音読みにはいろいろと興味深いことが多い。