刑事の視点からのコメント

あなたの「普通」は大丈夫?

刑事時代、この手のトラブルで話を聞くと、「昔から普通にやっていました」という言葉が、加害者側からよく出てきました。

『これだけで、逮捕 「知らなかった」では済まされない29の落とし穴』(著:森雅人、監修:足立直矢/PHP研究所)

しかし、社会の常識は少しずつ変わります。昔は許されていたことが、今は許されない。以前は冗談で済んだことが、今は相手を傷つける行為と受け取られる。そういう変化はあります。

これまで多くの人の話を聞いてきましたが、トラブルになる人ほど、自分の常識を疑いません。「普通でしょ」「みんなやっているでしょ」「このくらい当たり前でしょ」と、思っている。だから立ち止まれないのです。

一方で、問題を起こしにくい人は、自分の感覚を過信しません。常に、「相手はどう感じるだろう」「今の時代はどう見られるだろう」と、考えます。

自分にとっての普通は、相手にとっての普通とは限らない。その前提を持つだけで、多くのトラブルは防げます。

誘うこと自体が悪いのではありません。

大切なのは、自分の普通を相手に押し付けないこと。その意識が、自分も相手も守ることにつながるのです。