「SNSで投稿を拡散しただけ」「飲み会に誘っただけ」「会社の資料を家に持ち帰っただけ」…どれも悪気なくやってしまいがちな行動です。しかし「何気ない判断が懲戒処分や損害賠償、さらには刑事事件へ発展することがある」と語るのは、元千葉県警刑事・森雅人さんです。そこで今回は森さんの著書『これだけで、逮捕 「知らなかった」では済まされない29の落とし穴』より一部を抜粋し、実際の事件や判例をもとにお届けします。
事件ファイル 飲み会に誘って逮捕!?
「飲み会に参加しないなんて、ありえないでしょ」
会社の上司である男性は、部署の懇親を目的として、部下の女性を含む数名に飲み会への参加を呼びかけていた。その際、特定の部下に対し、チャットやメッセージで繰り返し参加を促し、「来ないと評価に響く」「チームワークを考えてほしい」「上司の顔を立ててほしい」といった趣旨の発言を送っていた。
部下は何度か断ったがその後も誘いは続き、最終的には私的な飲食の場への参加を半ば強制される形に。飲み会の場では、身体的接触や私生活に踏み込む発言もあり、精神的な苦痛を感じたとして、社内の相談窓口を通じて被害を申告し、社内調査を行った。
その結果、当該行為は、業務上の優越的地位を背景にした強要、不同意わいせつ未遂の疑いで書類送検された。
ココがアウト!強要罪/セクシュアル・ハラスメント
立場を利用して私的な飲み会参加を迫る行為。
「誘っただけ」「冗談」でも、断れない空気を作った時点でアウト!