会社としてできること

「接待飲み会」は会社で防げる

会社側はまず、「飲み会への参加は業務ではない」という立場を明確にしましょう。参加・不参加で評価は一切変わらない。そのことを繰り返し社員へ伝え、断ることへの安心感を与えることが大切です。

次に、ハラスメントの具体例を言語化しましょう。

抽象的な禁止だけでは伝わりません。

・断った後の再勧誘
・評価を匂わせる発言
・私生活への踏み込み
・身体的距離の問題

こうした具体例を示して初めて、「やってはいけない」が現場へ伝わります。

さらに重要なのは、相談窓口の実用性です。「相談しても変わらない」「結局、自分が我慢するしかない」そんな空気がある限り、問題は水面下に沈み続けます。

窓口はあった。制度もあった。それでも実際には機能していなかった。そうなれば、企業ブランドそのものを揺るがす問題へ発展しかねません。

近年、大きく報じられた接待問題やハラスメント問題の多くも、最初から大事件だったわけではありません。

誰かが違和感を抱いた。誰かが嫌だと思った。しかし、その声が組織の中で受け止められなかった。その結果として、問題が外部へ流出したのです。

私は、「内部で止められなかった問題は、外で爆発する」と考えています。

会社が守るべきなのは、体裁でも慣習でもありません。社員の自由意思です。

断れる文化を作ること。そして、相談が来た時に「穏便に済ませる」方向へ流さないこと。この二つが何より重要です。

本気で内部で止める会社になるのか。外で炎上してから動く会社になるのか。その分かれ目は、相談機能が本当に機能しているかどうかにあるのです。

※本稿は、『これだけで、逮捕 「知らなかった」では済まされない29の落とし穴』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
愛あるいじりのつもりだった…。SNSで部下をからかって逮捕…原因は加害者側と被害者側の<認識のズレ>
「このままだと火事の恐れがある」と言われ60万!出張買取から強盗事件に…シニアを狙う特殊詐欺の3大キーワードは《警察》《お金》もう一つは
有名人のフェイク動画を信じてしまった70代ひとり暮らしの私。夜な夜な汚れた5円玉を必死に磨き…

これだけで、逮捕 「知らなかった」では済まされない29の落とし穴』(著:森雅人、監修:足立直矢/PHP研究所)

普通の人が落ちる、29の落とし穴

逮捕された人の多くは、最初から法律を破ろうとしていたわけではありません。

本書では、実際の事件や判例をもとに、「知らなかった」では済まされない29の落とし穴を、元刑事がわかりやすく解説します。