紳士の脳内シミュレーション―― 不機嫌を優雅な楽しみに変換する

1|相手の「人間性」を剥奪し、「現象」と定義する

相手が失礼な言葉を投げかけてきた瞬間、その人を「意思を持った人間」と見なすのをやめます。

(写真提供:Photo AC)

・リフレーミング:「この人は私を攻撃している」
→ 「たった今『未熟な自尊心が大噴火を起こした』(=『日本の南の海上で台風が発生しました』というニュースと同列)」

・紳士の視点:大雨や雷に腹を立てる紳士はいません。ただ「ああ、低気圧(劣等感)が近づいているな」と、気象観測をするように相手を眺めます。

2|相手の語彙を「翻訳機」にかける

相手の放つマウントや自慢を、そのままの意味で受け取らず、脳内の翻訳機で「悲鳴」に変換します。

・翻訳:「一応、東大です(=私はお前より上だ)」
→「一応、東大です(=ぜひ過去の記号で私を判断してください。今の自分には、それ以外に誇れるものが何もないのです。どうか見捨てないでください!)」

・紳士の視点:こう翻訳した瞬間、相手は「強敵」から「保護を求める迷い子」に。
人は、必死に助けを求めている幼な子に対して、不機嫌になるのは難しいものです。

3|自分を「劇場の一等席」に配置する

自分を当事者ではなく、最高級の劇場で「悲喜劇」を鑑賞している観客だと設定します。

・リフレーミング:「失礼なことを言われた」
→「このやり取りは、のちにサロンで話すための、極上のネタ(エピソード)の仕入れ作業」

・紳士の視点:相手が失礼であればあるほど、「お、これは面白い展開になってきた」「このセリフ、後で誰かに話したらウケるだろうな」と、メモをとるような感覚で相手を観察します。

余談ですが、私はこの3番目の方法は日常的に使っています。これまでの書籍や講演会でも楽しいエピソード(もちろん実話)をたくさん使わせていただきました。いただいた面白マウントはすべて私のルイ・ヴィトンに変換されています。