AIの種類で影響が異なる

スペインのIESE(イエセ)ビジネススクールのエンリケ・イデとエドゥアルド・タラマス両氏の研究は、さらに興味深い視点を提供している(Ide and Talamas, 2025)(「a」はアキュート・アクセント付き)。彼らは、AIを大きく2種類に分ける。

一つは「人間がAIを道具として使う」タイプ(非自律型AI)で、ChatGPTに質問しながら仕事を進めるのがこれに当たる。もう一つは「AIが自分で仕事をこなす」タイプ(自律型AI)で、人間の指示なしにAIエージェントが業務を処理するものである。

重要なのは、この2種類のAIで格差への影響が正反対になることである。道具として使うタイプ(非自律型)は、知識の少ない人を底上げするので格差が縮まる。ところが、自分で仕事をこなすタイプ(自律型)は、下のレベルの仕事を丸ごと代替してしまうので、一番知識のある人に恩恵が集中する。

つまり、今のAIは格差を縮める方向に働いているが、そのうちにAIが進化して自律型になると、逆に格差を広げる方向に転じる可能性があるのだ。