優れたリーダーとは

では、優れたリーダーにはどのような特徴があるのだろうか。ここでいう「優れた」とは、チームの成績に対する因果的な貢献度が高いという意味である。

実験結果から見えてきたのは、優れたリーダーは、AIチームでも人間チームでも、一方的に結論を急ぐのではなく、より多くの質問を重ねながら情報を引き出していた点である。

『思い込みの経済学-AI時代のお金・仕事・社会』(著:大竹文雄/中央公論新社)

例えば、「どの案が正しいか」とすぐに答えを求めるのではなく、「A案の利点を知っている人はいるか」「その弱点を示す情報はないか」「判断するために、まだ足りない情報は何か」と問いを重ねていく。

AIに対しても、人間に対しても、まず長所を聞き、次に短所を確かめ、さらに不足している情報を探るという形で、会話のキャッチボールを通じて分散した情報を統合していったのである。つまり、優れたリーダーに共通していたのは、自分で答えを出す力以上に、問いを通じて相手の持つ情報を引き出し、それを組み立てていく力だったのである。