2. たった34年で広がった「家へ届ける医療」の進化

鈴木雅さんたちが撒いた種は、時代を超えて現代の制度へと実を結びました。しかし、意外にも現代の「訪問看護」という制度が始まったのは1992年。まだたった34年ほどの歴史しかありません。介護保険制度に至っては始まって約25年です。

最初は「高齢者のお宅を訪ねる」ことから始まった訪問看護ですが、制度や報酬が整うにつれて、その対象は大きく広がりました。今では高齢者だけでなく、生まれたばかりの赤ちゃんから、難病を抱える方、障がいを持つ方まで、あらゆる世代の方が自宅で訪問看護を利用しています。

イメージ(写真提供:Photo AC)

さらにここ数十年で、超高齢化社会を見据えた「地域で暮らす」ための仕組みが急速に整ってきました。

● 通える(デイサービスなど)
● 泊まれる(ショートステイなど)
● 日中も夜間も家に来てくれる(ヘルパー・訪問看護)

このように、「通える・泊まれる・日中も居られる」環境を地域全体で整え、どこにいても誰かが支えてくれるネットワークが作られてきたのです。