(写真提供:Photo AC)
大学病院とはどんなところなのか。なんとなく怖いイメージを持っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。「大学病院は、とんでもないところでも、怖いところでもない。開業医も、大学病院の医師も、患者のために役立ちたいと思っている」と語るのは小児外科医である松永正訓先生です。そこで今回は松永先生の著書『大学病院の正体-手術、人事、教育、研究のすべて』より一部を抜粋し、「大学病院の舞台裏」をお届けします。

教授は今でもピラミッドの頂点か

医者の社会はタテ社会である。外科系と内科系ではそれなりに文化が異なるが、外科の世界の説明をしてみよう。

大学における教官(医学部の場合は医者)のポジションは、四つ。教授・准教授・講師・助教である。国立大学の場合、教授は一人だ。准教授以下の人数は教室の大きさによって異なる。小児外科は最も小さな科なので、准教授は一人、講師も一人、助教が二人である。零細企業といった感じ。

大人の外科ともなると規模がかなり異なる。准教授は2~3人、講師は5人前後、助教は10人くらいになる。中小企業という感じだろう。助教になるということは正社員になるということだ。

ぼくが助教になったのは卒後12年目。このときはうれしかった。正社員になれれば身分が安定する。給料も上がるし、(年俸制をとっていなければ)ボーナスも出る。実際には使わないが有給休暇とかももらえるし、病気になっても生活が保障される。