『シカゴ』との出会いは大きな意識転換
『TUMBLEWEED』は二部構成で、一部がカラミティ・ジェーンを題材にした朗読とダンスと歌を彩凪翔さん、朴璐美さんと。二部は宝塚OGスターをゲストに迎えたショータイムです。今回は新たな挑戦として、私も2曲、振付を担当することになりました。
身体を使ってドラマを表現する――。それが私のテーマですので、日頃から身体については、敏感であるよう努めています。
宝塚退団後、男役から「女性」に戻った時に、社交ダンスのプロの先生について、ハイヒールで歩く練習をしたんです。男役の靴に慣れた私には、重心のかけ方や、歩き方そのものなど、すべてが新鮮な発見でした。
ブロードウェイミュージカル『シカゴ』の来日公演(15年)で、ヴェルマ・ケリーを演じた時は、振付家のゲイリー・クリストさんから、大きな意識転換が起こる指導をいただきました。
通常、舞台では目の前の扉を全開にする気持ちで、お客さまに自分をアピールしようと思いますよね。でも、そうじゃなくて、「小さな穴があって、その先に何があるか。それを観客が前のめりで覗き込みたくなるような表現をしなさい」と、言われたのです。
大げさな動作ではなく、たとえば目線を動かすだけでお客さまを惹きつける。その繊細でミニマムなスタイルこそが、ボブ・フォッシー流なのだ、と。