現在の医療システム

ところが、残念ながら現在の医療システムでは、一次予防よりも二次予防に重点が置かれがちです。

構造的な話をすれば、多くの病院の収益は、病気になった患者さんを治療(投薬や検査)することで成り立つ仕組みになっているため、「病気を未然に防いで患者を減らす」ことへの経済的な動機づけが働きにくいという側面も否定できません。

『ラーメンと健康 「炭水化物=悪」ではない』(著:和田秀樹/KADOKAWA)

その点、地域住民を健康にして患者さんを減らすことに熱心なのは、長野県など一部の特殊な医療制度を持つ地域ぐらいなものです。

長野県では、自治体が病院を直接運営する「国保直診」という形をとっているケースが多く、住民が病気にならない方が、結果的に自治体の財政が潤うという、まさに一次予防が機能しやすい仕組みになっているのです。長野県が長寿県として知られているのは、こうした背景も無関係ではないと思います。