(『ブラッサム』/(c)NHK)
9月28日から放送が始まった連続テレビ小説『ブラッサム』(総合、毎週月曜~金曜・午前8時ほか)。作家の宇野千代をモデルにした主人公・葉野珠(石橋静河)が自由を求めて自分を貫き、夢を掴む姿を描く物語だ。放送コラムニストの高堀冬彦氏が解説する。

朝ドラことNHK連続テレビ小説の新作『ブラッサム』が、第2週を迎えた。滑り出しは上々だ。

ヒロインは葉野珠(石橋静河、幼少期・村上蘭、80代・加賀まりこ)。モデルは宇野千代さんである。『生きて行く私』などを著し、文化功労者にも選ばれた大作家だ。1996年に98歳で亡くなった。4度の結婚と離婚を繰り返したことでも知られる。

珠には、ドラマ『Tシャツが乾くまで』(TBS系、2026年)の主人公・瀬尾咲子(蒼井優)と似た面がある。お気づきだろうか。まず、成長期に親から生き方を押しつけられ、強い不満を抱くところ。珠は父親の清治(渡部篤郎)から奴隷のごとく扱われ、咲子は母親の順子(島本須美)から度を超えた過干渉を受けた。

成人後の咲子は5回の結婚と離婚を重ねた。珠も宇野さんをモデルにしている以上、やがて結婚と離婚を繰り返すことになる。

宇野さんは無軌道だったわけではない。親の命令や世間体などに縛られることなく、ありのままの自分で生きたのだ。その生き方も多くの読者から支持された。咲子の生き方も同じ。自分の信じる道を歩む。

清治は自分の羽織の洗い張りを忘れた珠を、夕方から朝まで蔵に閉じ込めた。珠がカナリアのエサを買い忘れたときには、雨の降る夜に店まで買いに行かせた。「草履が濡れると、腐るかもしれん」と言い、裸足で外に出した。

なぜ、この物語は、清治の傍若無人ぶりを見せることに時間を割いているのか。「朝ドラ史上、最悪の毒親」などと表層だけ捉えていたら、本質を見誤る。