「両親は、私を広島に連れ帰って世間から隠して守ることもできたのですが、それでは私が幸せになれないとわかっていたのかもしれません。」

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励ましてくれた母は、まだ広島にいた頃に紗里さんにきた芸能界からの誘いを「あんな汚い世界に入るのはダメ」と全部断っていた。それだけに、その言葉が重かったという。一方で、娘が上京してメディアに出た後は、「紗里ちゃんはきっとそういう運命だったんだね」と背中を押してくれてもいた。

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もう後戻りはできないとわかって励ましてくれたのだと思います。両親は、私を広島に連れ帰って世間から隠して守ることもできたのですが、それでは私が幸せになれないとわかっていたのかもしれません。

それを聞いて私も、「そうだな、『タレント加藤紗里』になれるまで頑張ろう」と気持ちを切り替えられたんです。新型コロナウイルスのせいで広島にいる母とは直接会えていませんが、毎日、子どもの写真を送り、電話で話をしています。

 

私のSNSは、疲れた人たちのゴミ箱

自殺未遂のことを今までお話しすることはありませんでした。当時は、そんなことですら「話題作りだろ?」と叩かれそうな空気でしたから。今はやっと普通にお話しできるようになりました。世間からバッシングされて、それでも死ぬのは怖くて死ねなくて……。

でも、母の言葉で、覚悟を決めました。私の場合は最初から強かったのではなく、「タレント加藤紗里」になることを決めて、変わったのかもしれません。それ以来、自分のことを「公人」と捉えているので、とにかく何を言われてもいい、というスタンスです。

私のSNSは、ストレスが溜まったり、疲れた人たちのゴミ箱だと思っています。ここを私が閉じてしまって毒を吐けなくなったら、また違う人のところに行く。だったらここでどうぞ、と。アンチの人たちは、毒を吐くことが喜びだと思うので、楽しみを奪ったら気の毒です(笑)。それに、本当に嫌いなら無視して、わざわざSNSを覗きにこないと思っています。

だからアンチに反論することはあってもブロックはしないし、コメントを削除したりもしません。私に関しては、どんなことを言われても相手の身元を開示請求したり、訴えたりも今は考えてないです。むしろ、アンチの方のご意見に興味があって、対談しませんかと募集をかけましたけど、全然、出てきてくれないですね。(笑)