「世界中に嫌われても娘だけがわかってくれればいい、良いママか悪いママかは娘が決める、と自分に言い聞かせています。」

 

娘に償いながら生きる

これまですべてを赤裸々に語り、バッシングをものともしなかった紗里さんだが、娘の写真は公開せず、子育てに関することはSNSにほとんど載せていない。その理由を尋ねると、突如、言葉に詰まり、涙を見せる場面も。

***

世間の私へのイメージ通り、子どもを愛せないのではないかと恐れていたんです。でも生まれてみたら、完全に優先順位が子ども第一になりました。自分にこんなにも母性があったのかと驚いています。

先ほどもお話しした通り私は「公人」ですが、娘は私の一部ではなく別個の「私人」なので、公開するつもりはありません。攻撃の対象になってほしくないからです。

一方で、出産後も、ネイルや買い物、美容院に行くなどの私生活を発信しているので、「子どもをほったらかしにして遊んでいる」「児童虐待で通報します」などの書き込みをされることも。

でも、家で世話をしてくれている家族はいますし、SNSに載せている私の生活はあくまで一コマであって、華やかさを見せる、「お仕事」。「料理もしない、家事もしない、家のことは家政婦に任せっきり」の加藤紗里のイメージのままでいい、と割り切ってのことなのですが、どうしても「悔しい」と泣きたい気持ちになることもあります。そんな時は、世界中に嫌われても娘だけがわかってくれればいい、良いママか悪いママかは娘が決める、と自分に言い聞かせています。

いろんな方が指摘される通り、爪を伸ばしていますが、料理もしていますし、赤ちゃんを傷つけずに抱っこもおむつ替えもできる。でも、そういうことを言い訳がましくSNSに書きたくありません。「子どもを産んで、過去をなかったことにして、リブランディングしようとしている」と言われるのは、嫌われることよりもイヤなんです。

それでもいつか娘が「加藤紗里」をネット検索するかもしれない。「加藤紗里の子ども」ということで、つらい思いをすることもあるでしょう。そう思うと怖いし、私の娘であることで、普通ではない私の人生に巻き込んでしまっているので、申し訳なく思っています。

事務所は去年退所し、個人事務所を立ち上げました。今年で30歳になったので、自分の会社の経営をもっときちんとやることが目標です。娘には、法律上可能な年齢になったら自分の会社の役員にして、役員報酬を渡します。娘のためにお金を残してあげたいから、私は殿方のお金を使います。(笑)

でも、幸せのあり方は娘自身が決めることなので、話せるようになったら、娘に残せるものを一緒に考えていきたいですね。100%完璧なママじゃないぶん、これからはたくさんのことを償いながら、一緒に生きていきたいです。

今は仕事で家を離れなければいけない時がありますが、本当は一分一秒でも一緒にいたい。予防接種も済んで、もう少し大きくなったら、仕事にも連れていくつもりです。