デッド・ドロップ――顔を合わせずに情報を受け渡すテクニック

ケース・オフィサーがエージェントの運用を始めると、最大の脅威となるのが敵国の防諜機関による現行犯逮捕だ。

街角ですれ違いざまに機密文書やUSBメモリを受け渡す「ブラッシュ・パス(Brush Pass)」や「フラッシュ・コンタクト(Flash Contact)」は、スパイ映画でもおなじみの手法である。しかし、どれほど巧妙に行なっても、直接会う以上は尾行や監視のリスクから逃れられない。

そこで考案されたのが「デッド・ドロップ(Dead Drop)」だ。これは、オフィサーとエージェントが直接接触せず、あらかじめ決めた場所に情報を隠し、時間差で回収するという極めてシンプルな連絡方法である。

何百年も前から使われている古典的な技術だが、現在でも世界中の情報機関で現役の手法として生きつづけている。