4月から6月の公演はすべて中止…
重松 小泉さんは舞台のプロデュースを多く手がけていますが、この半年はいかがでしたか?
小泉 3月25日、世田谷パブリックシアターでの『マイ・ラスト・ソング』という舞台は、感染拡大防止対策を行ったうえで上演しましたけど、4月から6月の公演はすべて中止。パソコンに向かい、中止をお知らせする文章を何度つくったことか。チケットの払い戻しなどもあり、疲れ果てました。
重松 プロデューサーとしては大変ですよね。
小泉 10月にプロデュース公演が決まっていて、本多劇場を3週間、予約していました。けれど、現在のガイドラインでは、定員の半分しかお客様を入れられない。組んでいた予算での公演はあきらめざるを得ませんでした。出演予定のキャストの方々の事務所にお詫びしてまわり、「心情的には中止ではなく、無期限ですけど延期。いつか再チャレンジさせてください」とお願いしました。
重松 舞台公演がないと役者さんもスタッフも経済的にキツいはずなのに。
行定 小劇場はとくにそう。僕の知るプロデューサーの話ですが、稽古だけで立ち消えてしまった幻の舞台があった。主演女優には、交通費と1ステージ分だけを渡し、大半の人には申し訳ないけど泣いてもらったと言っていました。そのくらい小劇場は厳しく、俳優たちは大変です。