頭が真っ白になったあの日のこと
子どもの頃から体を動かすことが好きで、さまざまなスポーツに打ち込んできました。なかでも力を入れていたのが、小5から始めたテニスです。プロを目指して強豪校に進学し、テニス一筋に過ごしていたものの、高校1年の時に肩を壊してしまい……。1年以上復帰できない可能性があるという医師の診断を聞いた時は、「あ、終わった……」と頭が真っ白になったことを昨日のことのように覚えています。
朝起きてボーッとテレビを眺めていると、いつの間にか夜になっている。そんなふうに、なんにも手につかない状態が1週間以上続いたある日、しびれを切らした母が「いい加減にしなさい。これからどうするの!?」と声を上げました。すると父が、「1年や2年、留年したところでたいしたことじゃない。長い人生、立ち止まる時期があってもいいじゃないか」と言ってくれたのです。絶対に怒られると思っていたのに、立ち止まってもいいと言われたことで張りつめていた気持ちが一気にほぐれ、気づけば親に背を向けたまま号泣していました。
そこからの立ち直りは我ながら早かった。次の日には退学を決め、両親に「別の高校に行こうと思います」と宣言し、すぐに転校の手続きを取りました。……いま振り返ると、ちょっと柔軟すぎますよね。(笑)