撮影:宅間國博
女優として精力的に活動する南果歩さんは、50代に入り離婚や病気を経験。たび重なる人生の節目を乗り越えたことで、ひとりの時間を大切に過ごせるようになったといいます(構成=篠藤ゆり 撮影=宅間國博)

「あそこに行きたい!」と思ったら即行動

2018年5月に離婚してから、生活の時間割が大きく変わりました。その感覚に慣れるまでに多少時間はかかったものの、今やすっかりひとり遊びが上手になり、濃密な時間を過ごしています。もともと考えるより先に行動してしまうタイプでしたが、再びシングルになり、「これ、面白そう」「あれをやってみたい」と思ってから動き出すまでのスピードが、さらに速くなりました。

たとえば、ひとり旅。子育て中やパートナーがいる時は、スケジュールを調整する必要があり、なかなか旅に行けなくて。でも今は、「あそこに行きたい!」と思ったら即行動。20代の頃はよくひとり旅をしていたので、その感覚が戻ってきた感じですね。

ただ、同じ景色を見ても、感じ方は20代の時と違います。多くの人生経験を経て、物事の見方も変わったのでしょう。去年はロサンゼルスに行き、演技を学ぶアクティングクラスを受講しました。そんなふうに目的を持った旅をするようになったのも、「大人」になったからかもしれません。

でも、新型コロナウイルスの感染が広がってからはドラマの収録もすべてストップしましたし、旅にも行けなくなりました。そこで家でできることを見つけようと、筋トレをしたり、リモートでお料理教室を受講したり。

さらに、「自粛期間中にこれができるようになりました」という達成感を味わいたくて、開脚して上半身をぺたんと床につけられるようになろう! と決意しました。毎日少しずつやっていたら1ヵ月半ほどでできるようになり、嬉しかったですね。