「つくづく思うのは、人生後半は友達や仲間の存在がすごく大事だということ。やはり幸せは、人と人の間、人と動物の間に生まれるものですから。」

愛犬のシャンティも、大きな支えになりました。病気の時も、その後の苦しい時期も、私が泣いたり落ち込んでいるとそばに来て寄り添ってくれたのです。2年前にシャンティに娘が生まれ、今は2匹が大切な暮らしの友です。

また、再びシングルになってからは、ひとりの時間を無駄にしたくないと強く感じるようになりました。病気も含めて、不安材料がまったくないと言えばになります。でも不安に目を向けると、自分の周りまでそういう色に染まってしまうので……。

とにかく、やりたいことからやって、好きなものを着よう、と。食べ物も好きなものから食べます。何ごとも「後の楽しみのためにとっておく」という考え方があるかと思いますが、50代半ばを過ぎたら、とっておいている場合ではないでしょう(笑)。

たとえばお腹がすいてそろそろご飯の時間かなと思っても、目の前に大好きなプリンがあったら、先にプリンを食べちゃいます。順番はさておき、その時に自分をハッピーにするものを取り入れるようになりましたね。

今年1月に誕生日パーティーを開いた時、ライブハウスを借りてサプライズでバンドのお披露目をしたのもいい思い出。きっかけは一昨年のお花見までさかのぼります。以前は毎年お花見を主催していたのですが、病気と雑誌の報道が重なり2年スキップしていたのです。

でも離婚する1ヵ月ほど前、ようやくみんなとお喋りしたい気分になり、久しぶりにお花見を開催。すると、集まってくれた友人たちがすごく気を使ってくれるのが、手に取るようにわかりました。

核心に触れるのは避けつつも、「この先、何をしていきたい?」という話になって。「今までやったことがないことをやりたい」と答えたところ「たとえばどんなこと?」と聞かれ、ふっと口をついて出たのが「バンドかな……」。すると、たまたまその場に楽器のできる人が揃っていたので、「じゃあ結成しよう」と。バンド名は「ニコチャンズ」。私、ニコちゃんマークが大好きなんです。(笑)

パーティー当日は、レベッカの曲や、ジャズのスタンダードナンバー「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を歌いました。練習も本気でやりましたよ。もう、全力で遊んでいる感じです。

つくづく思うのは、人生後半は友達や仲間の存在がすごく大事だということ。やはり幸せは、人と人の間、人と動物の間に生まれるものですから。