「あの自粛期間は、自分を成長させるために、本当に必要なもの、必要だと思っていたけど実はいらなかったもの、やるべきこと、やらなくてもいいことを冷静にジャッジする時間だったような気がします」(撮影:宅間國博)
ドラマや映画に大活躍の三浦翔平さん。この一年は、「新しい命を授かるという嬉しい出来事があった半面、親しい仲間との別れがあり、感情の起伏が激しい一年だった」と言います。現在公開中の映画『天外者』では長年の友人・三浦春馬さんと共演しています。本日25日より、本編エンドロール後に3分のメイキング映像が上映されることも決まり、話題になっています。共演場面の撮影は、気心の知れた2人ならではのやり方で臨んだそうです(構成=上田恵子 撮影=宅間國博)

《2020》という数字は忘れられそうにない

今年を振り返ってまず思うのは、いろいろなことを考えさせられる年だったな、ということですね。本来ならば東京オリンピック・パラリンピックが開催されて、東京はスポーツでも経済でも盛り上がるはずだったのに、新型コロナウイルスの感染拡大によって状況は一変。これまで当たり前だと思っていたことが当たり前ではない、以前とはまったく違う世界になってしまいました。人間がいかに無力であるか、思い知らされた一年だった気がします。

僕自身のことで言えば、妻(女優の桐谷美玲さん)との間に新しい命を授かるという嬉しい出来事があった半面、親しい仲間との別れがあり、感情の起伏が激しい一年だったように思います。いろいろな意味で、今年の《2020》という数字は忘れられそうにありません。

4月の初めに出た緊急事態宣言が5月末に解除されるまで、ほぼ家から出ずに過ごしていました。僕が出演していたドラマの撮影も止まっていましたが、作品の理解をより深めるために、台本を読み込みました。また、いつ撮影が再開されてもいいようにプロデューサーや監督ともリモートでコミュニケーションを取り、準備をしていたんです。

料理もけっこうしましたよ。もともと、以前出演したドラマがきっかけで始めたものですが、自分でも楽しみながらあれこれ作っていました。妻と一緒に作ることもありましたし、それこそ「外出ができないなら、家でできることをやろう」と、ベランダでランチを食べたり。そのためにわざわざキャンプ用の椅子とテーブルを買い揃えて、アウトドア気分を味わいました。

今思うと、あの自粛期間は、自分を成長させるために、本当に必要なもの、必要だと思っていたけど実はいらなかったもの、やるべきこと、やらなくてもいいことを冷静にジャッジする時間だったような気がします。