『ゲンロン戦記――「知の観客」をつくる』東浩紀・著/中公新書ラクレ

哲学は知識を競うものではないし、正解を教えるものでもありません。まして敵と味方を分けるものでもありません。

むしろ哲学はあらゆる場所に宿ります。だから読者のみなさんの人生のなかにも宿っています。ぼくは職業柄、そのようなものをいつも言葉にしています。だから『ゲンロン戦記』で自分の10年を哲学の言葉で振り返ることができました。けれども、ほんとうはみなさんのなかにも同じような気づき、同じような試行錯誤があるはずです。そんなみなさんには、ぜひいちど、書籍でもカフェでも配信でもスクールでもいいので、ゲンロンのコンテンツに触れてほしいと思います。きっと、それらの「商品」を満たしている「誤配」に触れることで、自分のなかのなにかに気づくはずです。

ソクラテスは哲学者は産婆なのだといいました。みなさんのなかにすでにある哲学が
生まれ落ちる手伝いをする。それが本来の哲学者の役割です。ゲンロンは、そのような
意味で、つねに哲学の産院であり続けたいと考えています。
 


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