「学校で『ケンカはいけない』と教えられるけど、本当は怒りのうまい発散のさせ方や、ケンカを吹っかけられた時に器用に立ち回る話法を教えたほうがいい。」(中野さん)/「人と人が真剣に向き合うとはどういうことなのかを学べますよね。」(高嶋さん)

今こそ怒り方の教育を!

高嶋 息子たちはまだ反抗期前なんですが、いざ突入したらどんなキレ方を見せてくるのか。それが今から心配です。

中野 高嶋さんの息子さんたちは怒りとの向き合い方をよく知っていると思いますよ。でも突然キレて大事件を起こす子どもが出てきてしまうのは、怒り方、怒られ方を知らないからじゃないでしょうか。学校で「ケンカはいけない」と教えられるけど、本当は怒りのうまい発散のさせ方や、ケンカを吹っかけられた時に器用に立ち回る話法を教えたほうがいい。

高嶋 人と人が真剣に向き合うとはどういうことなのかを学べますよね。

中野 自分の意思を主張できるようになるし、身を守る手段をより多く獲得することにもなります。将来社会に出て、パワハラやセクハラを受けた時にも、うまく回避したりはね返したりする力がつく。

高嶋 思えば私は、ずっと一人でその訓練をしてきたのかも。理不尽な目に遭うたび、「見返してやる」と頑張りました。家族に対しても、兄に勝ちたい、母に認められたい、父に「よくやった」と言わせたい。なにより、ダウン症の姉を傷つけるヤツは許せない──。根底には怒りがあって、それだけでここまで来たような気がしているんです。

中野 私も、野心を持って「なにくそ!」と勉強や仕事をしてきたので、すごくわかります。「いつも穏やかでいなければいけない」なんてムリに考えなくていいと思いますよ。

高嶋 まだまだ上に行くために、お互い、怒り続けましょう。(笑)