メッセージを直接伝えられる日は必ず来る
逆に男だってつらいんだよなと気づいたのが「木綿のハンカチーフ」。太田裕美さんの可憐な声で聴いていた頃は、都会へと旅立った男のことを身勝手なヤツだと思い憤っていました。でも、ひょっとしたら女性のほうが変わってしまった男を見限ったんじゃないかと思えてきたんです。いずれにしても二人の心が離れていくさまが切なくて……。
恋の情熱は時間に勝てない。恋に限らず、瞬間のなかにこそ永遠があるのだということを私は数々の歌謡曲から教えられた気がするのです。
そして、どんな過去も昇華することのできる女性に多大な憧れを抱いています。だからというのも変だけど、今回のカバーアルバムは特に女性に聴いてほしい。「女に生まれてよかった」と思ってもらえるはずだから。
コロナによる自粛中に出演したある歌番組でのこと。私はエレカシと宮本浩次個人の楽曲と、カバー曲の3曲を披露する機会に恵まれました。男っぽいバンドのボーカリストとして、ソロのシンガーソングライターとして、そして一人の歌い手として歌いながら、「俺が目指していたのはコレだ!」と大きな達成感に包まれました。これからも、自分の可能性をどんどん広げていきたい。それが今後の目標ですね。
ただ、目下の望みは、幻と化したソロコンサートを実現することです。やっぱりあらゆるメッセージは直接伝えなくちゃ。時にはライブ配信も悪くはないけど一方的じゃダメなんだ。でも大丈夫。その日は必ずやって来ると、私は強く信じています。