東京大学のラボに通い、20代の学生たちとシャーレで細胞培養する日々

もっと勉強したいと博士課程へ

このロコピョンを開発しているうちに、修士課程の2年間はあっという間に過ぎ、もっと勉強したいという意欲が私の中に生まれてきました。そこで、もう一段階上の博士課程に進みたいと思ったのですが、あいにく、私が所属していたゼミの教授は博士課程を持っていなかったんです。どうしよう? と悩んだときに、修士課程の2年間、欠かさず授業に出ていた基礎老化学の教授が博士課程のゼミを持っていることを知りました。

大学4年間はオンデマンドで授業を受けていましたが、実は大学院に進んでからは、週に2回、埼玉県の所沢にあるキャンパスまで、都内から1時間半かけて通っていたんですよ。それはもう、めちゃくちゃ遠くて大変でした(笑)。電車にも乗り慣れていなかったので、乗り換えの駅で迷ったり。

でも、どうしてもこの基礎老化学の授業を取りたかったので、午前中に名古屋でレギュラー番組に出演した後、ダッシュで新幹線に飛び乗り、西武池袋線の最寄り駅から出る学バスの時間に間に合うように、東京駅から向かって。それが毎週です。

本来ならば、ロボット工学を専攻していた私が基礎老化学の博士課程に進むことは許されません。でも、この授業を2年間みっちり受けていたおかげで、面接で教授たちの厳しい質問にもすべて答えられ、博士課程に進むことができたのです。