夫の言葉に背中を押されて
芸能生活25周年を迎えたころ、社会に対して何か恩返しがしたいと思うようになりました。18歳でデビューして以来、この世界で仕事を続けることができたのも、長年、私を支えてきてくれたスタッフや仕事関係者、ファンのおかげ。周囲の方々に、何らかの形でお返しをしたかったのです。
でも、高校を卒業してすぐに芸能界に入った私は、恩返しの術を何も持っていなかった。そこで、まずは大学に入ってさまざまな知識を身につけ、自分にできることは何かを考えてみたいなと思って。
とはいえ、ドラマやバラエティ番組の仕事をしながら大学に通うのは時間的にかなり厳しい……。なかなか踏ん切りがつかないまま過ごしていたところ、愛犬の散歩を通じて知り合った男性と44歳のときに結婚することになりました。
「実は大学に行ってみたいんだよね」と、何の気なしに相談したら、意外とあっさり「いいんじゃない。やりたいことをやったらいいと思うよ」と。その言葉に背中を押されて、ほんとうに気軽な気持ちで大学受験を決めたのです。
せっかく大学に行くなら予防医学の勉強をしたいと考えました。以前、文部科学省が行っていた医療関係のプロジェクトを推進するビデオに出演したことがあり、予防医学の大切さを知って興味を持っていたのです。
コロナ禍の今でこそ、手洗い、うがいなど予防を意識した生活をしていますけど、それまでは、「病気になったら、病院に行って治してもらえばいい」と考えている方のほうが多かったと思います。でも、日ごろからもっと「予防」を意識していれば、病院のお世話にならずに、健康で幸せな生活が送れるはず。
そんな予防医学の大切さを世の中に伝える勉強ができる大学はないだろうかと調べたところ、早稲田大学人間科学部の健康福祉科学科で学べるとわかり、eスクール(通信教育課程)を受験することにしたのです。パソコンを使いオンデマンドで授業が受けられるeスクールならば、毎日通学する必要もないので、仕事をしながらでも勉強ができますから。