22歳になるのを機に日本国籍を選んで

大坂のツアー獲得賞金やスポンサー契約金などの年収は約39億円で、今や世界で最も稼ぐ女性アスリートになった。現在はロサンゼルスのビバリーヒルズに住む大坂だが、周囲から億万長者とみなされ、ほかとは違うかのような視線を送られることに戸惑いがある。

「自分自身のためにお金を使うタイプではないの。家族が喜んでくれているのなら、私も嬉しい。一番大きなことは、いつも自分の家族を養うことができるということです。だからこそ、たくさんの試合に勝ちたいのです」

大坂は、海外転戦をする時に、コーチ1人とトレーナー2人を帯同させているが、彼らの報酬は、選手である大坂から支払われる。いわば《チーム大坂》の雇用主なのだが、そのチームの中で自分がボスだとは思っていない。

「家族のようです。そして、みんなそれぞれの役割を担っています。私は、みんなの夢や評価される仕事を実現するための器のようなものではないでしょうか」

以前、日本とアメリカとの二重国籍を持っていた大坂は、2019年10月、22歳になるのを機に日本国籍を選んだ。生まれ故郷である日本、育った土地であるアメリカ、父親のルーツがあるハイチ、それぞれを大坂はリスペクトしているが、もとより日本を選択することに迷いはなかった。ちなみに、日本食が大好きで、記者会見では、うなぎや焼肉を食べたいとよく話している。