《大人の学び》について、講座を運営する3つの企業と資格取得のプロに話を聞くと、「はじめはわからなくて当たり前。自分のペースで大丈夫」と口を揃えます。自身の興味や学びの目的、ライフスタイルにあった講座選びが肝心です(イラスト=霧生さなえ 構成=上田恵子)

不況になると、資格系講座に人気が集まる

コロナ禍のいま、習い事や自分の将来に役立つ知識を学びはじめる人が急増している。

「ステイホームを機に、在宅時間を有効活用しているのでは」と話すのは、通信教育の業界最大手「ユーキャン」メディアマーケティング部の山本裕美さん。同社では、ここ1年で特に、資格系講座の受講者が増えているという。

「不況になると、資格系講座に人気が集まる傾向があります。学びを、就業に直結させたいと考えるのでは」と山本さんは分析する。

そんななか、景気に左右されることなく、大学時代から《学ぶ》ことにハマり、2020年12月時点で738もの資格を取得している人がいる。大手人材派遣会社勤務を経て、現在は資格コンサルタントとして活動する鈴木秀明さんだ。

「年間80件のペースで、資格・検定試験を受け続けています」。試験だからと堅苦しくとらえず、クイズ感覚で楽しみながら学ぶのが鈴木さんのやり方だ。

「資格をとると、まず履歴書などで自分の能力を示すことができますよね。また、共通の趣味や目標をもつ仲間ができることで世界が広がりますし、自信や喜びにつながるメンタル効果も大きい。いまは学び方にもいろいろなスタイルがあるので、自分にあった方法を選ぶことが重要です」