101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。

<100歳の100の知恵 14>

『根つき野菜は二倍、三倍になって返ってくる』

私はセリやミツバ、わけぎなどは、なるべく根つきのものを買うようにしています。そして、ひと通り食べたら、根の部分を菜園に植えておきます。

枯れてもともと。芽が出てくれたらうれしいし、ひとり暮らしの青みくらい、それでけっこう間に合います。あるとき、セリを植えておいたら、線香花火をパッと散らしたような白い花が咲きました。

本当に可憐で素敵だったので、虫めがねで一所懸命見たり、摘んでさりげなく小さなビンに挿し、食卓に飾りました。しおれさせまいと思って土に斜めに埋めて保存したまま忘れていたごぼうが、素朴でかわいい花を咲かせたのにびっくり。うれしくて活けたり、わざわざ若い人に写真を撮ってもらい、はがきにして楽しみました。

根つきの野菜は、食べられるだけではなく、姿を愛でる楽しみもあります。プランターでも育ちますので、ぜひ試してみてください。

 

 

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