イラスト:本田佳世
時間に追われる毎日を送っていたあの頃。気がつけば体が悲鳴を上げて──自他ともに認める元気印の牧田さん(仮名)は、突然吐き気に襲われたといいます(「読者体験手記」より)

宝塚公演の観劇を楽しみにしていた矢先に

今思えば、あの時、体は危険信号を発してくれていたのだと思う。

最初に普段と異なる疲労に気づいたのは2016年の11月。はっきり覚えている理由は、東京まで遠征して宝塚歌劇団の公演を観に行くべく、わくわくと準備をしていたからだ。

当時、コンサルタントの仕事の依頼が相次ぎ、スケジュールはパンパン、出張も多く、私はあちこち飛びまわっていた。京都から奈良に移動しようとターミナル駅で乗り換える時のこと。駅のコンコースで猛烈な吐き気に襲われた。持っていたポリ袋で何とかキャッチするも、ああいう時は腹圧もかかるのか、下もまさかの漏れ。一大事である。

気持ち悪さマックスの中、お店に入り、下着とキュロットを買って着替え、乗り換え駅にたどり着いたが、異様にしんどい。元気印が売りで病気一つしたことがない私。これほどの疲労感は初めてである。