家の中でまつ毛が凍った経験があるという北海道出身のバービーさん。「九州男児」としての矜持をもって育ったという熊本出身の高良健吾さん。北と南、それぞれの故郷のことを大切に思い、町おこしや震災ボランティアを行っている。ふたりの共通点や相違点とは……(構成=上田恵子 撮影=大河内禎)
北海道と九州。北と南それぞれに
高良 はじめまして。今日はよろしくお願いします。バービーさんは北海道のご出身だそうですね?
バービー はじめまして。はい、夕張郡の栗山町で、場所的には札幌と新千歳空港の真ん中くらいになります。夕張市の隣町ですね。郵便局員の父とパート勤めの母、兄と姉がいる4人きょうだいの末っ子です。
高良 僕は熊本県熊本市生まれですが、父が転勤族で。3歳での引っ越しを皮切りに熊本と福岡の間を転々とし、中学2年の時に熊本に戻ってきました。僕の上京後も転勤をしているので、両親は8~9回引っ越しているんじゃないでしょうか。母は専業主婦で、兄が1人います。
バービー 私は真逆で、実家はずっと同じ場所です。家の前が線路で1時間に1本電車が通るんですが、そのたびに家がガタガタ揺れる。石炭ストーブをガンガン焚けば最低限寒くはない、くらいの生活ですね。すきま風がひどく、冬はストーブの火が落ちると吐く息でまつ毛が白く凍っていました。東京は東京で、「コンクリートジャングルって心身ともに冷えるのね……」と思いますけど(笑)。九州は暖かくていいですね。
高良 よくそう言われるのですが、実は九州は東京より寒いんです。この前も地元の友達が「今、雪が積もっているよ」と言っていました。
バービー すみません、熊本を奄美大島のようなイメージで考えていました(笑)。北海道では、吹雪で視界がきかない「ホワイトアウト」でも休校になりません。1メートル先も見えないなか、生足にルーズソックスで通ってましたよ。
高良 ええっ、それはすごい。