「僕も一人暮らしは嬉しかったです。東京には、九州出身の同級生や先輩がいたので、いつも一緒に遊んでいました。それでも地元に帰りたくて仕方なかったですけどね。」(高良さん)

「見て、ダライ・ラマの生写真だよ!」

高良 高校時代、地元のタウン誌の高校生スタッフとして毎号1ページを担当していて、その雑誌の副編集長に今の事務所を紹介されたんです。芸能の仕事を始めたのは高校2年の時で、当時は仕事がある時だけ熊本から上京していました。飛行機で1時間半なので、「卒業後も熊本から通います」と言ったのですが、却下されました(笑)。バービーさんは進学での上京ですか?

バービー そうです。東洋大学でチベット密教を学んでいました。本当は東京を通り越して中国の大学で学んで精神科医になりたくて、海外はダメだと親に反対されて。

高良 チベット密教とは個性的。

バービー タイから来た留学生のお坊さんと一緒に授業を受けるんですが、彼がいつもオレンジ色の袈裟を着ていてね。ブラチャッポン君というんですけど。ちなみに周囲からは「変わった学科だ」とドン引きされていました。経済学部の女の子たちは「夜のお店の体験入店で1万円もらったからバッグ買ったの~」なんてキャッキャしているのに、私たちは「見て、ダライ・ラマの生写真だよ!」と盛り上がってる。(笑)

高良 ダライ・ラマの生写真(笑)。でも、すごく楽しそうです。

バービー 楽しかったですねえ。そもそも解放感がハンパなかったです。田舎だとGPSもないのに誰がどこで何をしているか、町中が把握していますから。上京してすぐにスナックでアルバイトを始めました。東京は自分の頑張り次第でお金が稼げるのがいい。一気に可能性が広がった気がしました。

高良 僕も一人暮らしは嬉しかったです。東京には、九州出身の同級生や先輩がいたので、いつも一緒に遊んでいました。それでも地元に帰りたくて仕方なかったですけどね。

東京に居心地の良さを感じるようになったのは、20代半ば以降でしょうか。地元に帰って、友達とアーケード街などを歩いている時に「一緒に写真を撮ってください」と言われるようになったのが、ちょっとだけ嫌だったせいかもしれません。地元では素の自分でいたかったなあというか……。

もちろん仕方のないことですし応援してくださるのはありがたいので、今はもうネガティブに捉えないようにしていますが。

バービー 東京の人は、芸能人を見かけても知らんぷりしてくれますからね。高良さんは地元のどこが好きですか?

高良 まず食ですね。野菜、果物、肉、魚まで、すべて熊本県内で揃いますし、レベルも高い。車で1時間も走れば、阿蘇のような自然が多い場所に遊びに行けて温泉もある。水も美味しい。住みたいという人も多いし、一度熊本を出ても戻ってくる人が多いんですよ。

バービー いいですねえ。確かに熊本に遊びに行ったら、よそ者扱いしないで受け入れてくれる空気があります。夜、スナックに行くと一緒に飲んでくれる。(笑)