フカヒレと蟹肉のかけご飯と蟹肉入り小籠包のセットは3800円。1枚約50gのフカヒレが載った豪華版だ。鶏ガラなどでとる白湯スープがベース。上海蟹のミソの甘みやコクに合わせ、米は甘みと粘りのあるつや姫を使用。左は蟹肉入り小籠包。注文が入ってから餡を包み蒸しあげている。奥は、本日のデザートの杏仁豆腐(撮影:今清水隆宏)

美味なる上海蟹を通年で

上海蟹といえば、秋から初冬にかけての美味。その味を年間を通して楽しめる稀有な店が、2020年の12月、日本橋にオープンした。その名も「蟹王府日本橋店」。本店は、世界中の食通らがこぞって訪れる上海の名店と聞けば、蟹好きならずとも気になるところだろう。

上海蟹専門店を謳うだけに、メニューには上海蟹料理が満載。「清潔な自社養殖場で育てる上海蟹は、安心安全を第一に薬品等は一切使わず、健康的に飼育しています」とは、支配人の野坂裕彦さん。日本橋店では、上海の自社養殖場から頻繁に空輸して、上海と変わらぬ味を提供している。夜のフルコースは2万5000円からとさすがのお値段だが、ランチなら比較的手頃に楽しめる。

セットにつく前菜4種盛り合わせは日替わり。下から、蟹肉と香酢(中国の酢)の煮凝り、ホタテとホタテ貝のヒモの青唐辛子ソース、チシャトウの葱油ソース和え、烤麩(カオフ・上海風お麩の煮物)など

人気のランチメニューは、ご覧のフカヒレと蟹肉のかけご飯と蟹肉入り小籠包のセット。アツアツで登場する土鍋の中にはフカヒレの姿煮が一枚、そしてご飯が見えないほどたっぷりの蟹餡がかかっている。もちろん蟹は上海蟹。身だけではなく、卵やミソ、白子も入った濃厚にして贅沢な味わいは同店ならでは。

その蟹も、一番美味しい時期に捌き、新鮮なうちに部位ごとに異なる温度で冷凍しているとか。上海蟹一筋のノウハウから生まれる美味をぜひ。