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愛犬に引っ張られた拍子に転んでしまい…

家でやらなければいけないことは、掃除や洗濯、料理だけではない。北海道在住の河村明子さん(80歳)は、昨年5月から愛犬ケンくんの毎日の散歩を、専門の代行業者「愛犬のお散歩屋さん」に依頼している。

明子さんは一人暮らし。食事作りや掃除、洗濯など、身の回りのことは一通りできるが、毎日45分の犬の散歩を年々負担に思うようになっていた。危険を感じる場面が増えたのだ。

「3年ほど前でしょうか。よその犬に驚いたケンが突然走り出し、引っ張られた拍子に私が転んでしまったんです。幸い膝をすりむいた程度ですみましたが、もし頭を打っていたら、とヒヤリとしました。それにここは北海道ですから、冬場の気温は零下になって、地面もアスファルトも凍りついてしまう。何度も、滑って転びかけたことがあります」

明子さんにとって、ケンは家族同様の存在。散歩に連れて行きたいのはやまやまだが、転んで寝たきりにでもなったら……と思うとためらわれた。

愛犬家の友人たちに悩みを打ち明けたところ、そのなかの一人が、週に2回散歩代行を頼んでいるという、市内にある「愛犬のお散歩屋さん」を教えてくれた。全国に約50店舗(当時)を展開し、テレビや新聞でも紹介されたことがあるらしい。

「代行を頼むとお金もかかりますし、正直迷いました。でも店長さんから、『犬の飼育経験があり、愛情を持って接しているスタッフが多いですよ』と聞いて、決断したんです。私がお願いしている方は60代の男性ですが、ケンの機嫌をうまくとってくれています。ケンも彼を気に入っていて、いまでは散歩の時間になると窓の外を眺めて待っているくらい」